痩せるためには運動が必要、とわかっていても、これまで運動の経験がない人だとなかなか始めるのが難しいものですよね。
そして、運動といって思い浮かぶものはランニング。
このランニング、苦手だという人も多いのではないでしょうか?
僕も仕事柄、人にランニングを進めることもありますが、中には「昔から走るのが苦手」「すぐに苦しくなる」といった人も多くいます。
そこで聞かれるのが、「ウォーキングでもいいの?」ということ。
このウォーキングでも痩せることができるのか?
走ることが苦手な人にとって最善な方法はないのか?
これらのことについて解説していきます。
ウォーキングで痩せることはできるか
ウォーキングで痩せることはできるのか?
このことについていつもお答えしていることは、「ウォーキングだけだと痩せるは難しい」もしくは「食事をしっかりコントロールできれば少しずつ痩せていくかも」ということです。
なぜウォーキングでは痩せることが難しいのか?
ウォーキングをすることで消費できるカロリーについて理解しておく必要があります。
ランニングとウォーキングの消費カロリーの違い
まずウォーキングの場合、30分で消費できるカロリーは約100kcalです。
脂肪を1kg減らすのに約7000kcal消費する必要があるので、35時間ウォーキングをしなければなりません。
そしてランニングの場合、30分で消費できるカロリーは、時速8kmで走ると約250kcalです。
脂肪を1kg減らすのに14時間ランニングが必要になります。
上記の消費カロリーの目安は体重60kgの場合になりますが、ウォーキングで消費できるカロリーはランニングの半分以下ということがわかりますね。
1ヶ月で1kg痩せようと思ったら、ウォーキングでは毎日1時間以上歩かなければならないのに対し、ランニングでは30分程度で済みます。
1ヶ月毎日1時間以上歩いてやっと1kg痩せる、となるとなかなかモチベーションを維持し、歩く時間を確保するのが難しいと思います。
さらに、1時間もあるけば、相当お腹が空きます。
ウォーキングでカロリーを消費しても、食事コントロールができず食べる量が増えてしまえば絶対に痩せません。
ダイエットを成功させるには、体の中に入れるカロリーを減らして、消費するカロリーを増やす、これが鉄則です。
ウォーキングの場合、消費するカロリーを増やすことが難しいです。
1日に2時間も3時間も歩く時間を確保するのは難しいですよね。
そしてウォーキングは、消費カロリーを増やすために歩くスピードを上げる、ということがなかなかできません。
速く歩こうとすると体への負担が大きい
ウォーキングでもっと痩せたい、思うと消費カロリーを増やさなければならないので、速歩きをすることになりますよね。
速く歩こうとすると自然と歩幅が大きくなります。
そうなると、膝を思いっきり伸ばした状態でかかとを地面に着くことになります。
それが脛や膝の痛みに繋がってしまいます。
通常の歩行であれば、着地時に膝を曲げて衝撃を緩和することができますが、速歩きをするとそれが出来ず着地時の振動や衝撃が脚に伝わりやすくやってしまいます。
ランニングが苦手ならゆっくりジョギング
健康を維持する、ちょっとした気分転換、などでしたらウォーキングも良いですが、痩せることを目的とした場合、消費カロリーが低すぎて、なかなか成果が見られずモチベーションを維持するのが大変です。
けれども、「走るのは苦手」という人も多いですよね。
そんな人にオススメなのが「ゆっくりジョギング」です。
どれくらいのペースでジョギングすればいいのか
走るのが苦手な人にとってはジョギングも疲れそう、というイメージがあるかもしれません。
最初にジョギングを始める時のスピードの目安は、歩くスピードと同じくらい、というものです。
前を歩いている人を追い抜かないように、その場で足踏みをするかのようにジョギングをすると良いです。
このようなジョギングは、ウォーキングよりも消費カロリーが高くなり、スピードを上げたとしても速歩きよりはケガのリスクも低くなります。
2018年にお亡くなりになってしまいましたが、日本スロージョギング協会の田中宏暁理事長は著書のなかで、歩いて消費できるカロリーは、走るのに比べたら半分、ウォーキングをするくらいならジョギングをした方が良いと言っていました。
どれくらいの量をジョギングすればいいのか
体重や体型、これまでの運動経験など個人差がある上で、あえて目安を決めるとすれば、週180分以上を目指すと良いです。
1時間以上のジョギングができるのであれば、週3日。
30分〜1時間であれば、週5日程度のジョギングをすると良いでしょう。
まとめ
走ることが苦手な人にとって、歩いても痩せるのか?ということについてはとても気になるところですよね。
上記で説明したように、ウォーキングでは運動強度が低く痩せるには時間がかかり過ぎてしまいます。
そのため、痩せた実感を得るまでモチベーションを維持していくことが難しく「ウォーキングで痩せるのは難しい」と患者さんにお話ししています。
ジョギングであれば、例え歩くほどゆっくりのスピードであっても、多くの筋肉が使われるため、倍近く消費カロリーが高くなります。
ウォーキングで痩せない、ランニングは苦手、という人は1度ゆっくりしたジョギングに挑戦してみてください。