もっと速く泳げる方法はないか?
なにか泳ぎ方のコツさえわかれば、ベストタイムを更新できるはずだ、
と思ったことはありませんか?
そんな方におすすめしたいのが、多くの書籍を出版している大学水泳部の髙橋雄介監督の「フラットスイム」です。
髙橋雄介監督が育てた自由形トップ選手は
塩浦慎理(50m自由形日本記録保持者)
石橋千彰(2012年ロンドンオリンピック出場選手)
瀧口陽平(自由形長距離選手)
そんな髙橋雄介監督が推奨する「フラットスイム」でのクロールの泳ぎ方やコツを紹介していきます。
「フラットスイム」クロールの【姿勢】
「フラットスイム」とは水面に対して姿勢を水平にすることを重視する泳ぎ方です。
そのフラットな姿勢を維持することで、抵抗が少なくなり速く泳げるようになります。
簡単そうに聞こえるかもしれませんが、意外とほとんどの人が水平になっていません。
例えば、泳ぐとき進行方向を見れば頭が上がります。
そして、胸が開き、お腹が落ちて、下半身が沈みます。
では、どのように気をつければフラットな姿勢を楽に維持できるのか。
そのコツを紹介します。
【クロールのコツ】前のめりになる
体が浮くのは、肺に空気があるからです。
そこが最も浮く「浮心」となります。
しかし、人体の重心はもっと下のおヘソあたりです。
そのため下半身が沈みやすくなります。
フラットな姿勢にするには、肺に体を乗せるような前のめりな姿勢を意識しましょう。
他の水泳コーチの「TIスイム」の動画ですが、とても参考になります。
【クロールのコツ】お腹を凹ませる
おヘソの下あたりを凹ますことで、下半身が下がりづらくなります。
これは腹圧が高まり、お腹が落ちづらくなるからです。
このようなお腹を凹ます動作の事を「ドローイン」と言います。
「ドローイン」は体幹を安定させ、フラットにするために重要なトレーニングですので、泳ぐ前に取り入れてみましょう。
「前のめり感」や「お腹を凹ませる」で、フラットな姿勢を維持出来ない場合は、プルブイがおすすめです。
まずは道具に頼り、フラットな姿勢を覚えていきましょう。
「フラットスイム」クロールの泳ぎ方【キック】
フラットスイムでは、姿勢を水平にすることを1番重視しています。
これまで水中の中でのキックが主流でしたが、それだとフラットな姿勢よりも脚が下がってしまいます。
そのため現在は足を水面に出す「水の上で打つ」キックに変わりました。
【クロールのコツ】足が水面に出るサーフェスキック
脚全体を柔らかく使って、足の裏を軽く水面に出すアップキックです。
水しぶきが上がらないように、滑らかに水を後ろに蹴ります。
このサーフェスキックの利点は、
- 下に蹴り過ぎないため、フラットな姿勢をキープしやすい
- 足の甲を後ろに向けやすく、推進力がアップする
しかしこのキックは股関節やお尻の筋肉をしっかり使うため、強い体幹が必要です。
先ほどの「ドローイン」で腹圧を高められるようにしましょう。
【クロールのコツ】スプラッシュキックでスピードアップ
サーフェスキックよりも少しだけ足を高く上げるキックです。
スプラッシュキックは、足首より上、足のすねあたりまで水面に出します。
そうすることで足の甲、すねを使って水を後ろに蹴ることができるからです。
このスプラッシュキックでは、バシャバシャ水しぶきが上がり、バンバンバンと音が鳴るキックになります。
スプラッシュキックは競泳選手が使うキックです。
スピードアップが目的ならマスターしていきましょう。
「フラットスイム」クロールの泳ぎ方【ストローク】
クロールの手の動きは6つに分けられます。
『エントリー(入水)』『ストレッチングタイム』『キャッチ』『ストローク』『リリース』『リカバリー』
髙橋雄介監督が推奨する「フラットスイム」の中で、僕がおすすめしたいストロークのコツを紹介していきます。
【クロールのコツ】ストレートプルが主流
以前は「S字プル」が主流でしたが、現在は「ストレートプル」が基本です。
「S字プル」だと左右に水が逃げやすくなり、泳ぎも左右に蛇行してしまう場合があります。
手や腕で水を捉えたら、真っ直ぐに後ろへ水を押していきましょう。
【クロールのコツ】肩を内旋させる
入水後のキャッチ動作では、肘を高い位置にキープしなければなりません。
そうすることで、手と前腕で「面」を作ることができ、水を後ろに押すことが出来ます。
その際のコツが、入水後のストレッチングタイムの時に、肩を顎に近づけるように内旋させることです。
すると肘が落ちづらくなります
【クロールのコツ】リリースはポケットから手を抜くように
ストロークが終わり、手を水中から出すリリース時に、水しぶきが上がる人がいます。
これは水を上方向に押してますので、フラットな姿勢を崩す原因となります。
リリースは手をポケットから抜くように、水面から出しましょう。
【クロールのコツ】手と足は同軸でタイミングを合わせる
右手と前腕の「面」でもっとも水の重みを感じているパワーポイントと、右足のキックを合わせます。
このように同軸の手と足でタイミングを合わせる事で、大きな力を発揮しやすくなります。
以下の動画がとてもわかりやすく説明してくれています。