水泳

僕がフィンを使う理由。クロールが速くなるためのキックのコツや注意点

先日、海でのスイム練習でフィンを使って練習をやりました。
やはり、フィンを使う事はキック力強化以外にも、いろんな効果があるように感じました。

8月31日、午前7時半ごろ、宮古島前浜ビーチでの練習の様子です。
フィンを使って泳いでいます。
この日は風や波もほとんどなく、海は穏やかで温かく泳ぎやすかったです。

 

そこで今回は、僕がフィンを使う事をおすすめする理由やキックのコツ、練習方法、注意点について紹介していきます。

フィンとは何か?

皆さんはフィンを使ったことがありますか?
おそらくスイミングスクールなどに通っていない人は、フィンを使ったことがない人が多いのではないでょうか。

フィンとは足に装着するヒレのようなものです。
ちなみに僕が使っているものはこれです。

まずFINISのフィンは靴のように履くフィンなので踵全体が覆われています。

他のメーカーのフィンだと踵のアキレス腱部分に引っ掛けるタイプのものがありますね。
ソルテックのフィンはこんな感じです。

僕の場合はFINISのフィンの方が足にしっかりフィットしてキックがしやすいように感じます。踵の部分のゴムも柔らかくて履きやすいですね。

このフィンを海のスイム練習で使ってて、脱げそうになったこともありませんし、フィンによる圧迫や擦れで痛みが出たこともありません。

もう一つ個人的に気に入ってるところは、かっこいいデザイン
黄色と黒の柄が他のフィンに比べてお洒落でかっこいいかな、と思ってこのフィンを愛用してます。

フィンを使って練習すると、普通のボートキックの練習だけでなく、ドルフィンキックやバサロキック、サイドキックなどの練習も楽しくなりました。

キックが苦手で進まない人はフィンでのキックは楽しいと思いますので、ぜひ、このFINISのフィンをおすすめします。

もちろん、足によって合う合わないがあるので、いろいろなフィンを履いてみてください。

フィンを使うことの効果

一般的に言われていることは

キック力を強化できる
足首の柔軟性が向上する

という事です。

①フィンをつける事によって、水を捉える面積が多くなるため、当然足にかかる負担は大きくなり重くなります。そのため。脚全体の筋力強化になります。

しかし、膝を曲げ伸ばししてキックをする癖がついている人は、大腿四頭筋ばかり負荷がかかってしまい、効率の悪いキックになってしまいます。

股関節から動かし、膝はそれに合わせて軽く曲がる程度を意識します。

②フィンをつけると、キックを打ち下ろす際、水を捉える面積が大きいため、足首にかかる負担も大きくなります。

これにより足首が強制的に底屈され(伸ばされ)ます。

足首の柔軟性が上がることで、水を捉えられる面積も大きくなり、効率よく水を後ろ方向へ押すことが出来ます。

 

僕が考えるフィンを使うことの意味

フィンを使って練習していく中で、僕が個人的に感じた「フィンを使う事の意味、目的」
を紹介します。
ただ、これが正しいかはわかりません。
かなり個人的な見解ですので、ちょっと参考にする程度に見ていってやってください。

フィンを使う事の意味・目的

①大腰筋、大殿筋を意識したキックの練習ができる
キックをするときの動作は、股関節が中心になります。この股関節を動かす筋肉はどの筋肉を意識すべきか?というと「大腰筋」と「大殿筋」だと考えています。

「大腰筋」は腰の背骨から股関節の内側に付いている筋肉。「大殿筋」お尻の大きな筋肉。

クロールで言えば、キックを打ち下ろす際に「大腰筋」を使って
蹴り上げる際に「大殿筋」を使います。

この股関節や体幹に近い筋肉を意識して使うことで、脚全体の筋肉は脱力することができ、
スムーズで滑らかなキックを目指すことができます。

フィンを使う時にイメージすることは、「膝から下は全部フィン・ひれ」ということ。

股関節の「大腰筋」「大殿筋」を使って、太ももを少し上下させるようにキックします。

 

②「腹→キック→プル」の意識の流れができる
股関節を使って、力強いキックをするためには、体幹の強さが必要です。
体幹に力が入っていないと、キックをした際に反動で体の軸がぶれてしまします。

フィンを使うと、脚の負荷が大きくなるので、自然と股関節まわりの筋肉に力が入ったキックになります

フィンで捉える水の重さで、体幹がぶれないようにするために、まずは、腹を意識して、キックをします。
腹を意識する事は、一番奥にある「大腰筋」も意識することに繋がります。
それが、「大腰筋」を意識したキックにも繋がります。

この「腹→キック」の意識の流れや体の動き合わせて「プル」を行います。

 

③速いスピードでの泳ぎを、脳に覚えさせることができる
速く泳げるようになりたい、と思ったら、速く泳いでいる時の感覚や体の動きを脳に覚えさせる必要もあると考えています。

そのために、速い泳ぎのスピード感覚を体感するのが良いです。

フィンをつけ、普段では出せない泳スピードを出すことによって、脳や神経にその時の体の動きや感覚を覚えさせます。

ランニングでも、追い風や、下り坂を使って、速く走る動きを身につけたりしますよね。

このようにして、速い泳ぎの動きを身につける方法もあると考えています。

フィンを使うことの意味や効果を紹介していきましたが、僕が勝手に感じたこと、考えたことが多くなっていますので、あまり参考にならないかもしれません。

でも、フィンを使う事で、練習のバリエーションが増え、スイムの練習が楽しくなります。
ぜひ活用してみてください。

キックの練習方法

次はキックの練習が楽しくなるように綺麗なキック動作の動画やいろいろなキック練習についての動画を集めてみました。

クロールの正しいキック動作

膝がほとんど曲がってなくて、脚全体が柔らかくしなやかにキックしていますね。
キックを蹴り下ろし過ぎると、それが水の抵抗になってしまいます

 

この泳ぎ方はプルとキックのタイミングを合わせるのにいいですね。
ひとかきごとに7回キックや5回キックをし、最後に3回キックに手の動きを合わせていきます。

 

体幹を強化できるキック練習

ドルフィンキックの練習によって体幹を強化して身体全体を使った力強いキックを身につける事ができますね。

 

クロールの手の動きとドルフィンキックを合わせる事によって、手と脚のタイミングの合わせ方がうまくなり、ひとつひとつの動きを力強くできるようになります。

 

サイドキック。姿勢を安定させるためにしっかりとした体幹が必要ですね。
あと足の甲だけでなく足裏での水の感覚を得るのに役立ちそうです。

 

バサロキック。初めてやってみたときは、体幹が使えてなく、膝下だけのキックになってしまい全然進みませんでした。

 

いかがでしたか。キック練習でもいろいろな練習方法がありますね。
キックが苦手な人はフィンを使う事で進みやすくなりますし楽しくもなると思います。

クロールのキックの注意点

ただ、キックの練習をするうえで注意しておくこともあります。

先日、このような記事を見つけました。

クロールのバタ足、速くなる効果なし むしろ水の抵抗増
研究チームによると、クロールのバタ足は下半身を持ち上げて水平に近い姿勢をとるためには必須で、抵抗を減らすのに貢献していると考えられてきた。
秒速1・1メートル(100メートルのタイムで90秒91に相当)の低速ではバタ足は推進力になっているものの、秒速1・3メートルを超えると足の動きが水の流れを妨げ、抵抗は速度の3乗に比例して大きくなっていた。
この成果は、小学生も含め多くの選手の泳ぎに関係するとみられる。筑波大の高木英樹教授は「振れ幅の小さい、しなやかなキックを打ち、水をつかむ上半身の技術を磨くことがタイム向上につながるだろう」と話している。

引用:朝日新聞デジタル

なぜ、キックを頑張っても速くならないのか?

泳ぐスピードが速くなればなるほど、クロールではキックを打ちすぎることによって、水の抵抗が増し、スピード低下の原因となってしまうようです。

確か、元トップトライアスロン選手の宮塚英也さんもトライアスロンJAPANという雑誌の中で同じような事を言っていました。

「キックは打つな!”足を残すため”ではなくかえって遅くなるから」

「キックを無駄なく推進力とできるのはハイレベルな人。そうでない人がキックを打つと逆にバランスを崩すことになり、エネルギーを余計に消費します」

元トップトライアスロン選手の宮塚英也さんでさえも、キックをまっすぐ打つことが出来ず左右にブレてしまい、その結果、抵抗が生まれてしまう、と言っています。

実際にやってみてどうだったか?

海で試しに、キックをほとんど打たずに泳いでみました。

ついでに言うと、そこそこ波がある海で泳ぎました。

ちょっと、波酔いしました…
やっぱり海の波にも慣れが必要そう。

で、泳いでみてどうだったかと言うと、キックを打たない方が、体の軸が安定して波があっても体がブレず泳ぎやすかったです。

意外でした。
波が強い海では、ある程度キックを打った方が体が安定してリズムを取りやすいと考えていましたが、キックを打つことによって、上体が左右にブレて、波が来るたびにリズムを狂わされてしまいました。

正確な泳ぐタイムを取ったわけではありませんが、体感として楽に泳げたという事は良い収穫だったと思います。

もうひとつ、僕が実践してみて感じた利点を言っておきます。
それは、キックをあまり打たないことで、体幹・コアへの意識が高まる、という事です。

それによって、腹圧がしっかりはいり下半身が浮きやすくなり、体の軸も安定しやすくなりました。

腕で水を捉え大きな力で掻こうとすると、どうしても反動で下半身が左右上下にブレてしまいます。

フィンを使ってのキックで「腹→キック」の意識ができるようになったら次は、キックを抑え、体幹、コア、腹圧(呼び方はいろいろあるかもしれませんが)へ意識を集中せてみるのも良い事だと思います。

皆さんもぜひ試してみてください。