10kmを30分切るようなランナーがどんな練習をしているのか気になりませんか?
あまりにもレベルが違い過ぎて、まったく興味を持ったことがないランナーの方も多いと
思いますが、同じ練習はできなくても、練習の考え方や組み立て方、やり方は参考にできるかもしれません。
僕自身の10kmのタイムは38分程度ですが、かなり参考になった本があります。
それはベースボール・マガジン社「大学駅伝強豪校の練習方法」という本。
(今では新品ではあまりない本かもしれませんが)
はっきりいって、一般の社会人ランナーがこの本にある強豪校の練習メニューをそのまま
実践することはかなり厳しいでしょう。
僕もちょっと真似してみようと思いましたが、疲れが溜まりっぱなしになって、すぐに挫折しました。
でも、本気で箱根駅伝を目指している中学生、高校生、そして、マラソンなどで上位を目指しているランナーにとっては、一度読んでみる価値はある本だと思います。
この本を読んで「なるほど!」と思ったことをまとめました。
多くの強豪校がリディアード式で練習を考えている
大きく分類すると、しっかり長距離走り込む時期とレースに向けてスピードを
上げていく時期に分けて練習計画を立てています。
この本の中では下記の大学の練習方法が記載されています。
東洋大学
駒沢大学
明治大学
早稲田大学
青山学院大学
城西大学
順天堂大学
中央大学
箱根駅伝を目標に時期によって練習内容が変化していっています。
例えば、箱根駅伝で優勝している青山学院大学の場合
(この本が発売されたときはまだ優勝していませんでした)
走り込み準備期
鍛錬期
ロードレース期
調整期
リフレッシュ期
などその時期の目的に合わせて練習内容を変えています。
これはリディアードの考え方をもとに練習計画を立てているようです。
リディアードはだいぶ前のニュージーランドのランニングコーチですが
多くの日本の指導者に影響を与えています。
リディアード式のランニングトレーニングはわかりやすいので、僕もこの考え方を基本に
トレーニング計画をたてるようにしています。
簡単に説明すると、練習で追い込む時期と追い込まない時期をはっきり分けるようにしています。
リディアード式のランニングはかなり昔の人の考え方で「今では古すぎる考え方かも」と少し実践するには迷いがありましたが、「大学駅伝強豪校の練習方法」を読んで「今もこの考え方で走ってるトップランナーがいるんだ!」と感動したのを覚えています。
しっかり長距離走り込む時期を経て、スピードを上げるトレーニングをする、ということが、長距離系のアスリートにとって重要な事だと理解し練習に取り組むようになりました。
マラソンが速くなるための練習方法を知りたいなら、参考にすべき4人のコーチ
水・土・日がポイント練習
・水曜日にスピードを上げるインターバルトレーニング。
・土曜日にもう少し距離が長いインターバルトレーニング。
・日曜日に20kmぐらいのレースペース走。
こんなパターンである1週間のポイント練習がありました。
これ以外の練習はjogなどの練習になるようです。
強豪校といえども、毎日のように追い込んで走っているのではないのですね。安心しました。
いろいろなランニング関連の本で、頑張る練習の日は週2回とか3回、というのを見かけます。
それ以外の日は、疲労回復もしくは体力の維持という目的で軽めのジョギングをやるのが、いい方法とあります。
朝のjogのペースが速い
どの大学も朝練をやっているようですが、その練習はjogが多いです。
ただ、そのjogが速い!
4:00~5:00/kmぐらいのペースで走っているようです。
60分で12~15km走る、ともあります。
僕の場合はjogのペースは5:30/kmぐらい。
少しづつjogのペースは上がってきていますが、やっぱりこの能力が向上するには時間がかかるな、と感じています。
じっくりロングラントレーニングに取り組んでいきたいと考えています。
週1日は休養日
多くの強豪校が土日がポイント練習のため、月曜日を完全な休養日にしている大学が多いです。
週1日の完全休養をすすめるコーチ、指導者は多いですが、週2日休むトップアスリートもいますし、完全休養ではなくjogをやるようになっているランニング本もあります。
リディアードの本の中には完全な休養日はありませんね。
一般ランナーの場合、計画通り練習が出来ない時があると思いますので、完全休養ではなく、きつくない技術練習、ドリル練習などにあててもいいのではないでしょうか?
青山学院大学とリディアード式トレーニング
少しだけ青山学院大学陸上部とリディアード式のトレーニングについて紹介したいと思います。
以前テレビで、青山学院大学陸上部の練習風景がテレビで特集されていました。
そのとき見た練習内容が、激坂をもも上げをしながら上っていくというもの。かなり選手はきつそうでした。
この映像を見た時、青山学院大学の原監督は本当にリディアード式トレーニングを取り入れているんだな、と思いました。
残念ながらこの時の映像はYouTubeで探しても出てこなかったのですが、「リディアードのランニングバイブル」という本の中にあるヒルトレーニングというトレーニング方法の一つだなと思いました。
以前ブログにも書きましたが、「大学駅伝強豪校の練習法」という本の中で、原監督はリディアード式のトレーニング方法を取り入れているとありました。
まだ青山学院大学が箱根駅伝で優勝する前に発行された本ですが、優勝後もおそらくリディアード式のトレーニングを継続されているのでしょう。
このリディアード式トレーニングのヒルトレーニングとは坂を使って筋力強化やフォームの改善に効果的です。
内容は
・ヒルスプリギング
・スティーブヒルランニング
・ヒルバウンディング
このスティーブヒルランニングが「もも上げ走」になります。
ヒルスプリギングは膝下の筋肉やアキレス腱を使ってチョーン、チョーンと真上に飛び上がるような動作で上っていきます。
ヒルバウンディングは柵を飛び越えるようなイメージで弾みながら坂を上っていきます。
なかなか言葉ではうまく説明するのが難しいので、詳しくは「リディアードのランニングバイブル」で見てみてください。写真が載っています。
ただこのような動作のヒルトレーニングでなくても、繰り返し坂道を上ったりするだけでも効果があるのではないかな、と自分では感じています。
多くの指導者が取り入れている坂を使ったトレーニング。ぜひ試してみてはいかがですか?
まとめ
マラソンや10kmなどの長距離を本気で速くなりたいと思ったら、jogのペースを上げていくことと、週3回のポイント練習の目的を理解して最大限集中してやる、ということが重要だと感じました。
箱根駅伝に出場するような大学の場合、ものすごい量の練習をしていることがわかりましたが、まずは質の高いjogをしっかり意識してやっていきたいと考えています。
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