一般的なトライアスリートのトレーニングの流れは、1日中時間があるとすると
「スイム→バイク→ラン」というやり方が多いでしょう。
ところが、アイアンマン・ハワイで40歳で復帰し2位という偉業を残した
デイブ・スコットは
その年の夏は「ラン→バイク→スイム」の順で練習していました。
なぜ、ランを1番最初に練習するのか
1日のうちで1番涼しい時間に走れる
トライアスロンの場合、レースではラン競技が始まる時間が、1番暑い時間帯になることが多くありますが、
それを理由に練習でも毎回、暑い時間に走る事は間違っています。
たしかに、時には、レースを想定して暑い時間に走り、それに慣れておくことは意味のある練習です。
でも毎回、同じように暑い中で練習する事は、内臓への負担が多くなり、
疲労が長期間抜けなくなり、次の練習までに体を回復する事ができなくなります。
結果、練習の質が低下していってしまいます。
内臓への負担が大きくなる理由としては
暑い中運動をすると、体温を下げるために、汗をかく量が増えます。
それは筋肉や皮膚への血流量が増加することなので、内臓への血液量は減少します。
それが結果として内臓にダメージを与えます。
話は戻りますが、あるトップトライアスリート場合、午前中のスイム練習の前の涼しい時間に20kmのランをこなすこともあります。
オーストラリアの選手は夜明けとともに練習を開始しています。
お腹に物が何もない状態で走れることのメリットが大きい
ランの練習を最後にもってくると、途中何かを食べる必要あります。
少しでもお腹に物があると、それが不快感になり質の高いラン練習が難しくなります。
ラン練習の強度を上げるには、かなり時間をあけることになり、夕食前になってしまいます。
早朝であれば、ほとんどの物が消化されているので、ラン練習に取り組みやすくなります。
そのかわり、水分摂取やウォーミングアップには十分に気を遣う必要があります。
朝走って、夜のスイムで疲れをとる
夜のスイムにより、疲れが翌日に残りにくくなったという意見もあります。
水圧による脚のマッサージ効果が期待できるのかもしれません。
そして、夕食についてです。
ラン練習後より、スイム練習後のほうが食欲があり、効率良く栄養補給ができます。
特に強度の高い練習をした場合、ランの方が体温を下げるために大量の汗をかきます。
その場合、胃腸への血流量が減少して、消化の働きが回復するのに時間がかかり、栄養補給が効率よくできず、身体の回復に時間がかかってしまいます。
スイムのテクニック習得は朝か?夜か?
脳、神経系が目覚めていない朝にテクニックが必要なスイム練習をするか、
筋肉が疲れ切った夜にテクニックが必要なスイム練習をするか。
これは、考え方が分かれるところだと思います。
スイムでキックをあまり重要視しないトライアスリートの場合、疲れている夜の
スイム練習でも、姿勢や腕のストローク技術習得には問題ないように考えています。
まとめ
トライアスロンのレースを想定した「スイム→バイク→ラン」を続けて行う練習でなければ、そこまで練習でこの順番にこだわる必要はないように思われます。
トライアスロンのクラブに入っている人でもなければ、
早朝から泳ぐ事は難しいと思います。
そんな方は、薄暗い早朝ではランの練習から始めることになるでしょう。
でも、早朝のランから練習を始めるトップトライアスリートは多くいます。
「ラン→バイク→スイム」の順番で練習する事は、間違っているわけではなく、
しっかり意味や効果を考えて取り組めば、最高の練習習慣となるでしょう。