ランニング

ランニングの練習は距離か時間か?2時間走をやってみよう!

ランニングの練習をする際、距離を決めて走るべきか、時間を決めて走るべきか
どちらの方が効果的なのか考えたことがありますか?

これはランニング初心者なのか、経験者なのかでも違いますし、何を目的にトレーニングをするかによって考え方は違ってきます。

「古今通じて最も優れた陸上競技コーチの一人」である「アーサー・リディアード」は、はじめは距離ではなく時間でランニングトレーニングをすることを勧めています

リディアード方式のランニングトレーニングは多くの駅伝大学強豪校にも取り入れられています。

はじめは時間を基準にしてランニング

ランニングを始めた最初の頃は目的は、長い時間走れるようになるということです。速く走れるようになるということではありません。

長い時間運動を続けることにより、有酸素能力を効果的に高めることができます。

「 競技力向上のトレーニング戦略」のテューダ・ボンパ氏は「持久力を改善する方法は一回のトレーニング時間は1時間から2時間半の間」と言っています。

まずは週3回、自分が少し長いと感じる時間を走ってみましょう。

例えばランニング初心者などであれば

例1
月曜日 休み
火曜日 15分
水曜日 30分
木曜日 15分
金曜日 30分
土曜日 15分
日曜日 30分

15分ぐらいなら疲れずに楽に走れると言う場合週330分ぐらいのランニングから始めてみましょう。

そしてランニングを継続し慣れてきたら少しずつトレーニングの時間を長くして行きます。

例2
月曜日 休み
火曜日 1時間
水曜日 1時間30
木曜日 1時間
金曜日 1時間30
土曜日 1時間
日曜日 23時間

これぐらいまでランニング時間を増やしていくと有酸素能力は効果的に向上していくでしょう。

仕事が忙しい人はこんなにランニングの時間を取ることは難しいと思いますが、週2回ぐらいの長い時間のランで、あとは疲労回復のためのジョギングということでも良いと思います。

やっぱりランニングはリディアード式トレーニング

なぜ時間を基準に行うか

10kmのランニングとなると速い人と遅い人ではトレーニング時間は違いますよね。
速い人の場合、有酸素能力を高めるために必要なトレーニング時間が短くなり、十分な効果を得ることが出来ません。

また、その日によって調子の良い悪いもあります。
10kmと決めて走ってしまうと、調子の良い日はランニングの時間が短くなってしまいます。

これはレースを想定した練習では良いことですが、有酸素能力を高めるという目的では効果的ではありません。

長時間運動を続けるということで有酸素能力は効果的に高まっていきます。

長い時間のランニングに慣れてきたら距離を基準

例2の様なランニングトレーニングに慣れてきたら、今度は自分のペースを正確に把握するために、距離を基準にトレーニングを行う必要があります。

できれば1kmごとに距離がわかるコースでペースを確認しながら走ることがベストです。

距離を基準にしたランニングはベストタイムを目指すと言うことではなく、一定のペースで走る感覚を身につけ、自分をコントロールするという事が目的です。

ランニングは毎日ゆっくり同じ距離では速くならない

スピードやペースを上げるトレーニングは距離を基準

有酸素能力が十分に向上してきたら、今度は走るスピードを上げる、もしくは速いペースを維持するということを目的としたトレーニングを行っていきます。

この時は距離を基準にし、目標とするスピードやペースで走れるように自分をコントロールしレースでのベストタイムを目指していきます。

以上のランニングトレーニングの流れを整理すると

①ランニングトレーニングを始めた最初の頃は、時間を基準に長い時間走ることで有酸素能力を高めていく

②長い時間のランニングに慣れてきたら、距離を基準にペースを一定に保てるようにする

③長い距離を一定のペースで走ることに慣れてきたら距離を基準にスピードやペースを上げていく

ランニングの初心者の人であれば①の期間が長くなりますが焦らずゆっくりとトレーニングをすすめていくと良いです。

慣れてきたら、例2にあるような2時間以上のランニングもメニュに取り入れていきます。

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なぜ2時間以上の長時間ランニングが必要か?

みなさんは、普段のトレーニングで2時間以上のランニングはやっていますか?

最近は、「ランニング量より質だ!」って傾向になってませんか?

 スピード練習やインターバル走のみをメインの練習としてやってませんか?

 なぜ、長時間、長距離のランニングが必要か?

というと、長時間動き続けることによって有酸素能力が最大限に高められるという事を、多くの実績ある指導者、コーチが言っています。

 そこで、長時間長距離のランニングが必要だと言っている指導者、コーチを紹介していきます。

 リディアード式のランニングトレーニング

 先ほども言ったように、多くの大学駅伝強豪校がリディアード式のランニングトレーニングの影響を受けています。

 リディアード式のランニングトレーニングとは簡単に説明すると、まず長時間走って有酸素能力を高め、それからスピード能力を高めるトレーニングを行う、というものです。

 このリディアード式のトレーニングを取り入れている指導者の一人に青山学院大学の原晋監督がいます

 箱根駅伝など長距離走で結果を出している監督ですね。

原監督も走りこむ時期とスピードを上げる時期とを明確に分けて、トレーニングの目的をはっきりとさせています。

走りこむ時期は30㎞走など積極的に取り入れているようですね。

 そして、もう一人紹介すると

瀬古利彦監督

ロンドンマラソン大会
シカゴマラソン大会
ボストン大会
などで優勝。

 そして現在、DeNAランニングクラブ総監督を務めていますね。

 彼も選手としても監督としても、リディアードの影響を受けており結果も残してきています。

 このリディアード式のランニングトレーニングではマラソンや長距離走のためのトレーニングメニューの中に、有酸素能力を高める時期は、毎週1回2時間以上のランニングトレーニングが入っています。

中距離走でも1時間半~2時間走のトレーニングがありあます。

(長距離走とは、マラソンも入りますが5000mや10000mなど)

(中距離走とは、800mや1500m、3000mなど)

ランニングが本気で速くなりたいなら参考にすべき大学駅伝強豪校のトレーニング方法

ジャック・ダニエルズ

 世界一の指導者と言われています。

ダニエルズ式のランニングトレーニングにも毎週、長時間長距離のトレーニングが入っています。

5kmや10kmの大会を目指す場合であってもトレーニングメニューの中に毎週2時間走、というものがあります。

 マラソン大会を目指すのであれば、2時間~2時間半走や2時間ぐらいはかかるトレーニングメニュ―が毎週1回あります。

マラソンが速くなるための練習方法を知りたいなら、参考にすべき4人のコーチ

 まとめ

 このように、多くの優秀なランニングコーチが、長時間長距離のランニングトレーニングを行っています。

10kmぐらいのレースであっても2時間ぐらいのランニングは必要だと言っています。

 「2時間なんて無理だよ」と思うかもしれませんよね。

でも、ゆっくりでもいいので、やってみる価値はあると思います。
きつければ、途中歩いてもいいです。

 長時間、体を動かすという事に慣れていけば、有酸素能力も少しずつ高まっていき、
スピードを上げるトレーニングもしっかりと取り組めるでしょう。

 基本的に泥臭く面白くない練習かもしれませんが、月1回からでもいいので「2時間以上走る」という事をやってみるとタイムの向上に繋がるかもしれません。

 でも、大事なことは、「楽しくトレーニングを続ける」という事です。きつければ、無理をする必要はありません。スポーツがある生活を楽しんでいきましょう。

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